ちょっぴりビターな、バレンタイン狂想曲。 迫るバレンタインデー。 佳樹が手作りチョコを贈るのはーーまさかの兄以外！？ そんな、佳樹にかぎって……。動揺する俺に、文芸部の連中は冷たい。 「妹ちゃん、好きな人でもできたんでしょ」「お、男だな」 ……こいつら、コトの重大さが分かっていないな。佳樹はまだ中二なのだ。本命チョコなんて早すぎる。 焼塩の案で、桃園中学に潜入調査することになるがーーえ、俺、中学生に変装するの？　 こんなところ佳樹に見つかったら……いや、普通に喜びそうだな……。

クラスの背景である俺――温水和彦は、あるとき人気女子・八奈見杏菜が男子に振られるのを目撃する。 これをきっかけに、陸上部の焼塩檸檬、文芸部の小鞠知花など、負け感あふれる女子たちが現れて――？
「温水君。女の子は２種類に分けられるの。幼馴染か、泥棒猫か」
負けてこそ輝く彼女たちに、幸いあれ。 負けヒロイン――マケインたちに絡まれる謎の青春が、ここに幕を開ける！

焼塩檸檬、まさかの略奪愛……！？ 夏休み後半。 たまたま喫茶店でだべっていた俺と八奈見は、驚くべき光景を目にする。 焼塩と、その思い人である綾野が２人きりで会っていたのだ。 さらには、２人を尾行する綾野のカノジョ――“勝ちヒロイン”朝雲千早ともニアミスしてしまう。

10月、俺たち1年にとって初めての学園祭――ツワブキ祭が近づいていた。 3年生はここで引退し、残された俺たちが部を引き継ぐ。 文芸部の展示や部誌、クラスの出し物もあって準備に追われるなか、次期部長に指名された小鞠の様子はどこかおかしくて……？　

クリスマス間近の12月。 月之木先輩のナマモノBL本が、生徒会に没収されてしまった！　 天愛星さんは職員会議にかけると息まいていて、このままでは文芸部もただでは済まない。 やり方はさておき、新部長の俺が取り返すしかないみたいだ。 八奈見には抜け駆け禁止と釘を刺されるし、志喜屋さんにはなにか違う目的もあるような気がするのだけど――。