グランツリー武蔵小杉店

開業10周年記念

けんご小説紹介さん

読みたい本が
絶対見つかる!

好評を博した第1弾フェアに続き、第2弾フェアをKinoppyでも開催!
小説紹介クリエイターけんごさんのSNSの反響の多い作品から、武蔵小杉店のスタッフが独自の視点を掛け合わせ、新たに30作品以上を厳選しました。 (※武蔵小杉店のフェアは終了しています。)

本の帯で読む小説紹介フェア第2弾

本の帯 INDEX ▼
  • 史上最恐で
    史上最高の
    表紙詐欺

    けんご

    余談ですが、今回紹介したカバーは文庫ver.で「単行本ver.は不穏さMAXです…。ぜひそちらも確かめてください。何よりもミステリに注目をしていただきたい!不快なのに爽快です。
    読みやすさ
    ★★★
    どんな人に
    読んでほしい?
    ▷ 超過激な描写でも読むことができる人
    ▷ 特殊設定ミステリを読んでみたい人
    ▷ 多重解決のそう快感を味わってみたい人
  • 人間とミミズのハーフのような風貌を持つ「ミミズ人間」が存在する世界の話…を紹介していくんですけど、まずこの作品で注目してほしいのは表紙のイラストです。
    作品のタイトルは…「お前の彼女は二階で茹で死に」「ミミズ人間」が存在する世界かつ、物騒なタイトルなのでカバーイラストも凄まじそうですよね。でも、事前情報なしでイラストだけをみると表紙詐欺だと思ってしまうようなものなんです。
    ここからはどんな物語なのかを紹介…と言いたいところなんですけども、まともに紹介できないような内容なのでごまかしながら進めていきます。
    まずは、「ミミズ人間」の説明から簡単に説明すると、この世界ではメジャーな病により、容姿がミミズっぽくなってしまった人たちのことです。見た目が特殊なので、彼らは差別をされてしまいます。その差別というのが想像以上に壮絶なもので…それが様々な事件につながってしまって…ミミズ人間だからこその大事件も起こってしまって…というのが大まかなあらすじでここでしっかりと注意しておきますね。
    異常なほどに過激な小説です。読めずに途中脱落する方もいるほどです。それでも、僕はこの小説を多くの方に届けたい。だってこんなにもすごい特殊設定ミステリはなかなかないから。幾重の謎が、一気に解き明かされるあの爽快感をあなたにも味わってほしいです。読めば表紙とタイトルに納得すると思います。

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  • 幽霊以上に
    恐ろしい人間

    けんご

    傑作ジャパニーズホラーといえば、この作品は外せません。ホラーに興味関心がある人は一度読んでみてください。概念が覆ります。本当に恐ろしい物語とは、この作品のことなんです。
    読みやすさ
    ★★★★
    どんな人に
    読んでほしい?
    ▷ ホラー小説を読んでみたい人
    ▷ ベストセラー作品を読んでみたい人 
    ▷ 人間がとことん怖い小説を読みたい人
  • 7月26日は幽霊の日。
    ということで、えげつない幽霊…よりも恐ろしい人間が出てくる小説を紹介します。
    保険会社に一本の電話が鳴ります。ある男からの「家に来てくれ」という電話でした。保険会社の社員が男の家を訪れます。そこで目にしたのは、男の息子が…クビヲツッテイタンデス。それからというもの、男は執拗に保険金を求めてくるんですね。
    社員は思います。こいつは怪しい。普通じゃない。…とおもいきや、怪しい隠元がもう一人いたんです。それが男の妻。二人がかりで、連日のように保険金を出せと催促してくるんです。息子のこと、なんてどうでもいいと言わんばかりに。保険会社の社員は調べ始めます。こいつらの目的は一体なんなんだ、一番やばい奴は、いったい誰なんだ…というお話。意思疎通が不可能な人間と対峙する地獄をこの小説で味わってください。

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  • 過去に後悔が
    ある人限定で
    見てください

    けんご

    未来のあなたを救ってあげられるヒーローは、今現在のあなた自身しかいないですよ。…ということを教えてくれた小説です。特に最近上手くいかない人は、ぜひ。
    読みやすさ
    ★★★★
    どんな人に
    読んでほしい?
    ▷ 過去に後悔がある人
    ▷ 勇気をもらえる小説を読みたい人
    ▷ 頑張るきっかけが欲しい人
  • 今から皆さんに真剣に考えてほしいことがありまして…もし、現在の記憶と知能を持ったまま、過去にタイムスリップできたら――、具体的には小学六年生の頃に戻ることができたら、何をしたいですか?もう一つ質問します。そもそも過去に戻りたいと思うことってありますか?
    では、ここから先は戻りたいと思う人だけ読んでください。おそらく、戻りたいと思うあなたには、過去に後悔があるんだと思います。今現在の自分を客観的にみて、あのときもっとこうしておけばと考えてしまうこと、ありますよね。そんなあなたに少し変わったチャンスを与えます。小学六年生の頃にタイムスリップできるチャンスです。記憶も知能も現在のまま、過去に戻ることができます。ただ、過去の自分自身に戻るわけではありません。小学六年生の頃のあなた自身を客観的にみる、友人として戻るんです。この小説は、過去はイケイケだったけど、今現在は無気力な大学生活を送る、一人の青年を中心に進みます。青年はあるとき、タイムスリップをするんです。先ほど説明したような形の、少し変わったタイムスリップを。青年は過去に戻り、過去の自分と本当の意味で向き合うこととなります。人生のどこが間違いだったのか、何がダメだったのか――。
    同じような意味合いですが、あえてはっきりと言わせてください。この小説は、過去をやり直しにいく物語…ではないんですよね。未来の自分を救うための物語なんです。

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  • 全裸が合法化
    された世界

    けんご

    凄まじい小説を読んでしまいました。こんな話を書けてしまう著者の七尾さんに敬意の気持ちでいっぱいです。他には絶対にない小説と断言します。好き嫌いは分かれるでしょう…。
    読みやすさ
    ★★★★
    どんな人に
    読んでほしい?
    ▷ サクサク読める小説を読みたい人
    ▷ コメディ的な小説を読みたい人
    ▷ ド下ネタが大丈夫な人
  • 「全裸は究極のエコだ」

    これは、服を着ずに全裸で生活することを認めた法律、『ヌーディスト法』が施行された世界の話です。もちろん強制的ではなく、国民に与えられた権利で脱ぎたい人は脱いでも問題ないという法律になります。この法律により、公然わいせつ罪は廃止となりました。全裸で生活するヌーディストたちの思想は強く、彼らは下着の一枚すらも着ようとしません。当然ながら、法律に反対する人も多数いて、日本各地で様々な問題が持ち上がっています。「女性専用車両」ならぬ「全裸専用車両」も運用されるようになりました。この法律は警察も例外ではありません。そしてついに、誕生するんです。全国初の全裸刑事が――。
    この作品は全裸の刑事が大活躍する小説です。直接的な表現が想像の100倍は出てきます。それが度々、事件解決に繋がるんです。笑いながら読む人と全く笑えない人で、スパーンと分かれる小説だと思います。皆さんはどちらでしょうか。僕はめちゃくちゃ笑いました。

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  • 食用の人間が
    存在する世界

    けんご

    収録作「食用人」にフォーカスして紹介しました。不気味で特異な世界観に引き込まれ、どの短編もあっという間の読了です。暑い季節が始まるので、ホラーで涼しくなりましょう。
    読みやすさ
    ★★★★★
    どんな人に
    読んでほしい?
    ▷ 異常な世界観の物語が好きな人
    ▷ サクッと読める短編小説が好きな人
    ▷ ホラー小説が読みたい人
  • 世の中には「食用」の動物が多数存在しています。ポピュラーな動物でいえば、豚や牛や鳥などでしょう。少し変わったものだと、食用カエルなんかもあります。では、なぜ食用の人間は存在しないのでしょうか。存在してはいけないのでしょうか。これは、人間に食べられるために存在している人間、「食用人」がいる世界の話です。
    これから先は、少々痛々しい想像をしていただきます。「魚の活け作り」はご存知でしょうか?その名の通り、魚を生きたまま刺身にして、鮮やかな盛り付けをする料理です。それでは、人間の活け作りは想像できますか?生きたまま、包丁で人間を捌くんです。「人の活け作り」は、あるお店の名物でした。この店では、食べたい食用人を自分で選んで、その場で捌いてくれるシステムになっています。食用人といえども、知性や感情はあります。だから、怖がるんです。これから捌かれることへの、恐怖に襲われるんです。「やめて!助けて!」と叫び続けるんです。だからといって、消費者は罪悪感なんてもちません。だって「食用」なんだから。人間に食べられるために存在しているのだから。ある会社員の女性は、人間の活け作りを…特に若い女性の活け作りに魅了されていました。そんな「食用人」好きの彼女に待ち受けていた結末は…
    という物語がこの作品に収録された短編小説になります。

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  • 月100万+α
    家族破滅実験
    協力者募集

    けんご

    「押すな!」そう言われると、押してしまいたくなる気持ち、あまたにもありませんか?自制心を好奇心が上回ってしまうとき、あなたにもありませんか?…真相は、直接その目で。
    読みやすさ
    ★★★
    どんな人に
    読んでほしい?
    ▷ スリリングな謎物語を読んでみたい人
    ▷ 押さないと思った人
    ▷ 押すかも…と思ってしまった人
  • あなたのスマホに家族を破滅させるスイッチがあるとします。押した瞬間、自分とはなんの関わりもないパン屋を営む幸せな家族が、一瞬で破滅してしまうんです。物騒なスイッチですよね。そんなものがスマホに搭載されているなんて、きっと気が気でないと思います。その代わりと言ってはなんですが、一ヶ月後、あなたに百万をお支払い予定です。あ、勘違いしてほしくないのでちゃんとお伝えしておこうと思いますが、スイッチは押しても押さなくても大丈夫です。変わらず報酬はあります。申し遅れましたが、僕は心理コンサルタントの者です。「純粋な悪」を研究課題にしておりまして、皆さんには実験の協力をしていただきたいと思っています。もう一度言いますね。押しても押さなくても大丈夫です。なにも変わりません。押しても押さなくても、あなたへの報酬は変わらないんです。押したら、あなたとは一切関係のない、ただただ幸せに暮らしている家族が、バン!と破滅してしまいます。それでも、あなたへの報酬は変わりません。少し言い方を変えましょう。押すメリットがないんです。押して良いことなんて少しもないんです。もちろんあなたはこの実験に参加してくれますよね?参加した場合、間違ってもスイッチは押しませんよね?
    …という展開で進んでいくミステリーがあります。この話を持ちかけられたのは、数名の大学生。「誰も押すわけがない」みんなそう思っていたはずなんですけど…人間の悪意って怖いですねぇ。

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  • 小説なのに
    たった15秒で
    終わる恋物語

    けんご

    ピュアな恋愛小説ではなく、どちらかといえばずきっとほろ苦い男女の関係という感じです。短編小説で短いのにもかかわらず、濃厚な読書体験と15秒間でした。15秒先の未来を、ぜひ。
    読みやすさ
    ★★★★
    どんな人に
    読んでほしい?
    ▷ なんとなくで交際した経験がある人
    ▷ ほろ苦い恋物語を読んでみたい人
    ▷ サクッと読める短編小説が好きな人
  • これは、学園祭の真っ最中に別れを告げようとしている高校生の男女を描く、たった15秒間の物語です。とはいっても、15秒で読めるわけではありません。短編小説の表題作なので、サクッと読めることは間違いありませんが、非常に密度の濃い物語です。
    物語は交際している高校生の男女の視点が交差しながら進みます。行動というよりは、お互いの気持ちや考えていることを中心に15秒間を描いているんです。最初の15秒~11秒に考えていること、次の11秒~7秒に考えていることと、数秒単位で物語は展開していきます。15秒後には別れを告げようとしているんです。それもどちらか片方がではなく、お互いに。二人のきっかけは、なんとなくも同然でした。付き合ってから何かあったわけではなく、むしろ、何もなかったという方が正しいかもしれません。特に男の子側が生徒会長をしており、多忙で一緒に帰ることすらありませんでした。だからこそ、本当に付き合っているのかすら曖昧に思うほどなんです。それでも…、一度付き合い始めた以上、けじめだけはつけなければならない。学園祭中は特に忙しい彼に許された自由時間はごくわずか。でもこの物語を読み終えて、僕は強く思いました。たった15秒、たかが15秒…いや、されど15秒なんだって。

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  • 動画配信者が
    悪徳業者に
    悪戯電話をしてみた結果

    けんご

    次の展開が全く予想できない、はちゃめちゃな大事件でした。ページ数はそれなりにあるのですが、頭の中で映像化しやすい文章で、誰でもスラスラと読めるはずです。エンタメ最高!!
    読みやすさ
    ★★★★
    どんな人に
    読んでほしい?
    ▷ スリリングな小説を読んでみたい人
    ▷ ハイテンションぶっ飛び展開が好きな人
    ▷ エンタメ感MAXな小説を探している人
  • 悪徳業者にイタズラ電話をして、命に関わる大事件を起こしてしまったある動画配信者を知っていますか?彼は現実では引きこもりの青年でした。ただ、ネットでは過激な動画を投稿することで人気になっていたんです。そんな彼は、ライブ配信をしながら架空請求をしている悪徳業者に電話する企画を始めました。あたかも騙されているかのような演技をして、悪徳業者をおちょくるんです。
    〈延滞料と合算して、9万7千円です〉「9万円…とてもそんなには…」〈どのくらいならお支払いが可能でしょうか〉「2千円ならなんとか」〈何をいうとんねん!なめんな〉
    電話口の悪徳業者も舐めた態度にカチンときたのか関西弁で怒鳴り散らかします。ライブ配信の視聴者は大盛り上がり。アーカイブの再生数も爆発的に伸びていきます。あー、面白かった。それで終わればよかったんですけど…。悪徳業者は動画配信者を直接捕まえて制裁を喰らわそうと動き始めるんです。ネット上のいたずらが、大事件を起こしてしまうんです。
    だいぶ端折ってあらすじを紹介しました。人間関係・家族関係・ネットの怖さなど、さまざまな要素が絡んでくる物語です。

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  • ノーヒントで
    パスワードを当てなければ
    終身刑同然

    けんご

    平成のエラリー・クイーンこと、青崎有吾さんの話題作を紹介しました。短編集となっており「11文字の檻」は表題作かつ最も読んでほしい驚嘆必至のミステリーでした。オススメです。
    読みやすさ
    ★★★★
    どんな人に
    読んでほしい?
    ▷ 難解なミステリーを読んでみたい人
    ▷ 短編小説が好きな人
    ▷ 注目作家の話題作を読んでみたい人
  • 読了後、頭がくらっとするほど衝撃を受けた作品です。もし少しでも気になったのであれば、必ず読んでください。
    舞台はある奇妙な刑務所。主人公が目を覚ますと、無機質なその空間に閉じ込められていました。同室にはもう一人の男がいます。つまり、この部屋は二人部屋だということです。「ここがあんたの最初の部屋だ」相部屋の男がそう言います。どうやらその男は、この刑務所に入ってそれなりに長いようでした。驚愕かつ地獄なのはここから。なんとこの刑務所から出るためには、パスワードを当てなければならないんです。しかも、ノーヒント同然で。組み合わせは百億通りを超える中から…。ひらがなや漢字を使った、合計11文字のパスワードを完全一致させなければならない。解答権は、一日に一回だけ。正解しなければ死ぬまで刑務所で過ごすことになります。ヒントは一応あるんです。が、しかし…。そのヒントもヒントと言い難いほどのもので、このパスワード当てはあまりにも無謀と言えます。そんな難解極まりない挑戦に主人公たちはどのように立ち向かうのか。そして最後には…というミステリー小説です。

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  • 1ヶ月で7人の男たちと
    寝た女から生まれた
    超絶美少女

    けんご

    『砂糖菓子の弾丸~』、直木賞受賞作『私の男』をはじめとする、多くのヒット作を生み出した著者の隠れた(?)名作です。他にはない文体を楽しめる小説で、斬新な読書体験でした。
    読みやすさ
    ★★★
    どんな人に
    読んでほしい?
    ▷ 美少女文学を読みたい人
    ▷ 他にはない文章の小説を読みたい人
    ▷ タイトル・表紙でびびっときた人
  • いんらんの母親から生まれ、自らの美しさを呪う少女の物語です。「いんらん」とは、手の施しようがないほど性的に乱れているたちを意味します。彼女の名前は七竈。「ななかまど」と読みます。17歳の彼女を中心に、様々な登場人物たちが北海道の旭川を舞台に織りなす、一言では説明できないストーリーです。
    物語は七竈の母親が語り手として進む、過去の回想から始まります。そこでいきなり、一ヶ月の間に7人の男と寝たという事実が明かされるのです。そんな淫らなことをしていれば、必然というのか…妊娠をしてしまいます。しかも、問題なのが父親が不明だということ。そうして生まれてしまったのが、主人公の七竈なのです。母親の容姿は平凡なのですが、不思議なことに七竈は大変な美人に生まれました。それだけ美しければ、周りの男たちはこぞって群がります。しかし、七竈はそれらを軽蔑しました。誰もが羨む容姿を手に入れたのにもかかわらず、なぜ七竈は自分の美しさを呪うのか。何か大事件が起こる小説ではありません。それでも、喪失感と青春の眩しさがページを捲る手を止めさせない、輝かしい美少女文学でした。

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  • 推しが死んで
    後追い自殺
    した少女の話

    けんご

    2021年ベスト小説です。表紙に惹かれて手に取ったこの作品は、僕にとって大切な小説になりました。予想外な展開とまさかの結末にきっとあなたも物語が恋しくなると思います。
    読みやすさ
    ★★★★
    どんな人に
    読んでほしい?
    ▷ 同じ悩みを抱えている人
    ▷ 悩んでいる知人が周りにいる人
    ▷ 体型や食事に気をつけている人
  • ボロ泣きしました。あなたに推しだったり、大切な譲れない何かがあるなら、必ず読んでください!まず最初にお願いがあります。この投稿を読んでみて、少しでも気になったらぜひ読んでほしいし、周りの人にもこの作品を伝えてください。大袈裟でもなんでもなく、この作品は人を救います!
    物語は若者を中心に熱狂的なファンを持つ、年齢も性別を公開していない超人気作家の…訃報から始まります。それは、人気シリーズ完結目前の出来事だったんですね。そして、さらに事件は続き、その作家に心酔していた16歳の少女 純恋(すみれ)が後追いしてしまいます…。純恋にとっては、推し的存在が消えたようなもの。その後追いは、未遂で終わるものの…
    「完結編が読めないのなら、生きていても意味がない」
    純恋はこのように語るのです。そしてここから物語は…と続きも説明したいけど、これ以上はネタバレになるので紹介はここまで!最後に一つだけ。この作品のあとがきは必ず最後に読んでください。

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  • 沼のような
    悲劇のような
    絶望の大恋愛

    けんご

    この小説を読んだのが大学生の頃で、読了後は息苦しくなったことを鮮明に覚えています。どう頑張っても避けられない運命はあって、でも生き続けなければならなくて…。はぁ…。
    読みやすさ
    ★★★★
    どんな人に
    読んでほしい?
    ▷ 大学生の人
    ▷ 社会へのギャップに苦しんでいる若者
    ▷ リアルな恋愛小説を読んでみたい人
  • 読了後は喪失感に襲われてしまう、儚い青春恋愛小説です。大学卒業直前の飲み会で出会った男女を中心に物語は進んでいきます。ここで一つ注意点で、人によっては絶望してしまうほどの物語なのかもしれません。少なくとも僕は…。
    あらすじに戻りますね。意気投合して、話が途絶えることはなく、相性がぴったりな二人は恋に落ちます。それから二人とも社会に出て、理想と現実のギャップに失望しながらも、恋の力もあって順調に楽しい人生が進んでいく…と、思っていたのに…。「…あ、なるほどね」読んでいる途中に小声で呟いてしまったことを鮮明に覚えています。ミステリーではないですが、ネタバレ絶対に厳禁。ズブズブの沼にハマっていくような、濃厚な恋愛小説でした。簡単に一言で括りたくないですが、この小説はエモいです。どエモい。まるでどこかの誰かが本当に体験したような、フィクションとは思えない物語を、ぜひ。

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  • 70歳以上は
    強制安楽死

    けんご

    強烈にイライラしながら読みましたが、他人事にはできない内容の傑作小説です。ある意味、SF小説なのかなぁと思ったりもします。僕はある登場人物が嫌いすぎて発狂レベルでした。
    読みやすさ
    ★★★★★
    どんな人に
    読んでほしい?
    ▷ 尖った設定の小説を読みたい人
    ▷ とことん読みやすい小説を読みたい人
    ▷ 考えさせられる小説を読みたい人
  • もし70歳になった人が安楽死を強制させられる法律ができたら、皆さんは賛成ですか?それとも反対ですか?ぜひとも理由を踏まえて意見をください。
    この法律名は『七十歳死亡法案』です。日本国籍を有する者は誰しも七十歳の誕生日から三十日以内に死ななければいけません。例外は皇族だけです。安楽死方法は数パターン用意されており、政府は対象者がその中から自由に選べるように配慮してくれています。政府の試算によれば、この法律のおかげで高齢化による国家財政の行き詰まりがたちまち解消されるそうです。本来ならば長寿は喜ばしいことですが、高齢者が国の予算を圧迫する原因となっており、介護する家族の人生を台無しにしている側面も事実としてあります。
    この法律の施行は今から二年後。現代日本の経済回復のためにはこの法律が絶対的に必要…という内容をテーマにした作品がこの小説です。ある家族にスポットライトを当てた物語で、介護が必要な我儘老婆を世話する姑や引きこもりの息子、そして身勝手な夫など問題ありありの家庭が法律によって翻弄される様を描いています。

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  • 強烈な描写に
    背筋が凍る

    けんご

    この小説の中には、主要人物である主人公と女の子の他、物語の大きな鍵を握る人物が登場します。読めばわかりますが、その人物の言葉が強烈に胸を突き刺すはずです。…ぜひ。
    読みやすさ
    ★★★★
    どんな人に
    読んでほしい?
    ▷ 考えさせられる小説を読みたい人
    ▷ 10代の方
    ▷ 学校に通う子供を持たれる親御さん
  • 本当に推せる小説です。だからこそ読みたいと思った方に一つだけ注意点を。この小説には、強烈な苛め描写が含まれます。ただの苛め描写ではありません。日本トップレベルの文章力を持つ著者が生み出した苛め描写です。人によっては読めないレベルだと思います。それを踏まえた上でご紹介させてください。
    主人公は14歳の中学生。彼は同級生から「ロンパリ」と呼ばれ、ひどい苛めを受けています。「ロンパリ」とは斜視のことを嘲笑う差別用語です。主人公が受けている苛めは限度を超えています。そんな彼のもとに、ある手紙が届くんです。差出人はおなじクラスの女の子でした。その女の子も同級生から苛めを受けています。そこからふたりは、手紙を通して奇妙な関係を築き上げて…というお話。
    善悪や強弱といった価値観の根源を問いながら、倫理的にも哲学的にも考えさせられる小説です。美しすぎる文章。そして、強烈なインパクトを脳裏に焼き尽くす物語にぜひとも翻弄されてください。

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  • 始発電車で
    クラスの異性と
    ふたりきりになった結果…

    けんご

    素晴らしい!こんな青春小説を求めていた!少しもネタバレになることは書きたくない!本当にサクッと読めるので、登下校や会社までの行き帰りの電車の中で読んでみてください。
    読みやすさ
    ★★★★★
    どんな人に
    読んでほしい?
    ▷ サクッと読める小説を読みたい人
    ▷ 閉鎖感ある青春小説を読みたい人
    ▷ 高校時代の記憶を思い出したい人
  • ちょっと皆さんにめちゃくちゃ気まずいシチュエーションを想像していただきたいんですけど…あなたはいま男子高校生です。学校には電車で通学しています。ある日、あなたはとある事情があって始発電車に乗ることになりました。最寄りが栄えているわけではないので始発電車はガラガラです。眠いなぁとあくびを漏らしつつ、あなたは電車に乗り込みます。どうせ誰もいないだろうし、どこでも座り放題だろうな。そんなことを考えていたのに、車両内にはひとりだけ乗客がいたんです。黒髪ロングヘア。バッグを傍らに置き、スマホもいじらず本も読まず、膝に手を乗せてじっと座っている。服装はあなたが着ている高校のブレザー。女の子はあなたに気づいて目が合います。その子は同じクラスメイトでした。しかも…、普段あまり話さないほうの。電車のドアはそのまま閉まります。車両はふたりだけの空間。考えるだけで気まずい…。
    はい、皆さんに質問です!ここからふたりはどうなると思いますか?もしかしたら、ここから恋に発展…したら良かったんですけど、物語は想像を絶する方向へと進んでしまうんです。

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  • 人間関係に悩んでいる
    すべての人に
    読んでほしい

    けんご

    『君の膵臓をたべたい』に続く、住野よるさんの代表作。独特な住野ワールドの出発点と言えるような小説です。悩みや不安を優しく包み込んでくれる、優しい物語をぜひ。
    読みやすさ
    ★★★★
    どんな人に
    読んでほしい?
    ▷ 人気作家の第二の代表作を読みたい人
    ▷ 不思議な感覚になる作品を読みたい人
    ▷ 温かい気持ちになる小説を読みたい人
  • この作品を簡単にまとめると、主人公のおませな小学生の小柳奈ノ花が「幸せ」とはなにかを探していくお話です。奈ノ花は小学生の中ではかなり賢い女の子でそれもあって学校には友達がいません。奈ノ花の友達は、一匹の猫、大人な女性のアバズレさん、高校生の南さん、いつも優しいおばあちゃん。彼女たちとの出会いは不思議なものでみんな様々な過去を持っています。その過去は…おっと、この先は実際に読んでみてください。
    「幸せ」は待っていたらやってくるものではなくて、自分から掴みに行って手にしなければならない。そんなことを教えてくれた作品でした。読み進めると分かるタイトルの意味。悲しくないのに、温かい涙が溢れる作品です。「幸せ」という人それぞれ感じ方が違う、答えも形もないものをこの作品を読んで探してみませんか?

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  • 大切な恋人と
    命を奪い合う

    けんご

    若い世代を中心に、絶大な人気を誇る著者の”奇跡”の物語です。この作品を読んで真っ先に思ったことは、タイトルが秀逸だということ。雨も悪くないなと思える、素敵な小説です。
    読みやすさ
    ★★★★★
    どんな人に
    読んでほしい?
    ▷ 甘く切ない恋物語を読みたい人
    ▷ 読みやすい作品を探している人
    ▷ 特殊設定系の作品を好んでいる人
  • 仮に、あなたが大切な人と命を奪い合うことになったら…幸せな二人に襲い掛かる、雨の日の交通事故。主人公の誠と、恋人の日菜は瀕死の重傷を負う。肉体が激しく損傷し、もう助かることはない。そんな二人の前に「案内人」と名乗る男女が現れ、ライフシェアリングという提案をします。ライフシェアリングとは誠と日菜が二人合わせて20年の余命を授かり、生き返ることができるという提案。その代わり、20年間を二人で奪い合うという過酷な条件付きのもの。
    「大切な人のために自分を犠牲にする」言葉にするのは簡単ですが、行動に移すのは恐ろしく難しいと思います。愛し合う二人が条件付きの日々をどう過ごし、何を思い、決断するのか。美しいカバーとタイトルの意味がわかったとき、きっと多くの人の心を動かすほどの作品だと思います。

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  • 女子が男子に
    読んでほしい
    恋愛小説

    けんご

    「女子が男子に読んでほしい恋愛小説No.1」このキャッチコピーが特徴的な少し変わった恋愛小説です。本当にめちゃくちゃ良い作品なんですよ…。未読の方は、ぜひぜひぜひ!!
    読みやすさ
    ★★★★
    どんな人に
    読んでほしい?
    ▷ 恋愛小説が好きな人
    ▷ 謎が多い展開が好きな人
    ▷ 伏線回収できる展開が好きな人
  • 恋愛小説?どうせよくあるお涙ちょうだいの物語だろ?読む前にそう思っていた自分をボコボコにしたいほど驚かされた恋愛小説の一つです!
    企業同士の商談の場で主人公 奥田浩介は中学校で同級生だった渡来真緒と十年ぶりに再会する。学年有数のバカと呼ばれ、いじめられていた当時の姿とは思えないほど真緒は美しくデキる女へと変貌していた。これは、超気まぐれで超猫舌で甘えん坊なんだけど、素っ気ない真緒と、優しさの塊みたいな浩介が互いに惹かれ合って結婚し、幸せな新婚生活を送っていくお話…ではありません!真緒には誰にも言えない大きな秘密があります。
    振り返ってみると、最初からすべてが伏線でこの秘密を知ったとき、誰もが驚き、悲しくも幸せな気持ちになると思います。

    あ、この文章にも伏線を散りばめておいたので実際に読んで、伏線回収してみてください!

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  • 葬式代わりに
    故人の肉を
    食べる世界

    けんご

    強烈すぎる作品、でも、著者が村田さんなら納得してしまうような物語です。ああ、天才。この小説に普通の感覚は通用しないので、頭を空っぽにして読んでみてください。
    読みやすさ
    ★★★★
    どんな人に
    読んでほしい?
    ▷ 自分の常識をぶち壊したい人
    ▷ 短編集が好きな人
    ▷ ありえない世界観を楽しみたい人
  • お葬式という文化はもう古いです!これからは、死んだ人間を食べる『生命式』に変更します。一つだけ注意点があります。この物語に、倫理観は通用しません。凝り固まった自分の考え方をぶち壊してくれる最高で最恐に危険な小説です。
    まずは『生命式』の説明から。一言でまとめると、故人を食べる式です。友達や同僚・家族も食べちゃいます。どうやら少し生臭いみたいなので、味噌系の鍋にするのが一般的のようです。
    ここからが本題で、この世界では快楽のために男女でアレをしません。「増やす」ためにします。『生命式』は、美味しく食べながらも、男女が相手を探し、死から生を生む…というスタンスです。設定だけ聞くとまぁ地獄ですよね。でも本当に面白い。自分の中にある常識が壊されて、思考の幅が広がります。でもでも、間違いなく…超危険な小説です。

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  • 人の物を盗み
    それを壊した
    少年の後悔

    けんご

    教科書に掲載されるべくして、掲載されたのだと思います。視聴者さんによれば、現在進行形で授業が行われているとか…!いつまでも色褪せない青春の形を、ぜひ味わってください。
    読みやすさ
    ★★★★★
    どんな人に
    読んでほしい?
    ▷ 中学の授業で読んだことがある人
    ▷ エーミールを知っている人
    ▷ 胸が締め付けられる青春文学を読みたい人
  • エーミールって覚えていますか?中学一年生以上で授業を真面目に聞いていた人ならきっと知っている人物です。そんなエーミールが登場する小説がヘルマン・ヘッセの『少年の日の思い出』になります。当時はエーミールという特徴的なキャラと彼のある名台詞で友達と盛り上がっていました。ただ、大人になって読み返すとこんなに素晴らしい物語だったのかと感銘を受けたので紹介させてください。
    蝶や蛾の標本を作り、コレクションすることが趣味の「ぼく」。ある日、「ぼく」は珍しい蝶を捕まえることに成功しました。標本化した蝶を隣に住む模範少年、エーミールに見せにいきます。するとエーミールは、「ぼく」が聞きたくもない蝶の欠点を語り始めたのです。「ぼく」は思います。エーミールにはもう見せない!と。二年後、「ぼく」はエーミールが大変貴重な蛾を羽化させた噂を耳にします。それは「ぼく」が憧れていた蛾でした。衝動に駆られた「ぼく」は、エーミールの家に向かいます。エーミールは不在でした。そして、彼の部屋に入ると、例の蛾があったのです。「ぼく」は過ちを犯しました。エーミールの蛾を盗んだのです。ここから物語は――。
    そうか、そうか、つまり君はそういうやつなんだな。これがエーミールの名台詞になります。嫉妬・憧れ・憎しみ・罪悪感など、少年たちの複雑な感情が見事に表現されたまごうことなき傑作青春小説です。

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  • 若い女性の生活が
    壊れるまで執着する
    不気味な老人

    けんご

    老人の目的は、彼は何を隠しているのか、なぜ彼女が被害に遭うのか――。裏面のあらすじは、地獄の日々への入り口…序章の序章に過ぎません。櫛木さんにしては優しめの小説でした。
    読みやすさ
    ★★★★
    どんな人に
    読んでほしい?
    ▷ 悍ましい小説を読みたい人
    ▷ サイコサスペンスを読んでみたい人
    ▷ 社会問題も絡む小説を読んでみたい人
  • 不気味な老人に生活を壊されるまで執着されたとある女性の話です。彼女の住んでるアパートの部屋の前に見知らぬ老人が座り込んでいました。右頬には大きなガーゼが貼ってあり、首にはなぜか鉄製の風鈴を下げていたんです。おそるおそる話しかけてみると、老人は疲れて座っていたと答えました。だけど、どう考えてもおかしいんです。彼女の住む部屋はアパートの二階かつ一番奥にあるのだから――。
    彼女の部屋には少々訳ありで居着いてる恋人がいました。恋人が帰宅後、老人のことを相談すると彼は形相を変えたんです。「どんなやつだった?」慌てて彼女にそう尋ねます。彼の頬は血の気を失い、真っ白になっていました。その日を境に、彼がおかしくなってしまったんです。
    後日、地獄が始まります。とある日の丑三つ時を少し過ぎたときでした。ちぃぃん。風鈴の音が鳴り、ベランダの方から人の気配がするのです。「じっとしてろ」彼女の隣で寝ていた彼が目覚め、そう言います。彼女はじっと息を殺し続けることしかできませんでした。翌朝の目覚めは最悪…なだけだったらよかったんです。先に仕事に出かける彼が玄関扉を開けると、途端にひどい悪臭に襲われました。その原因は、ドア一面にべったりすりつけられたなにかだったんです。それは間違いなく生きものの…・・・

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  • あなたは自分の顔に
    満足していますか?

    けんご

    「どうしてわたしはあの子じゃないの」一度でもそう思ったことがある人、あなたのためにある物語です。寺地さんらしさが溢れる小説でした。様々な年代に刺さると思います。
    読みやすさ
    ★★★★
    どんな人に
    読んでほしい?
    ▷ 劣等感や嫉妬心を抱きやすい人
    ▷ 自分に自信がない人
    ▷ タイトルにぐっときた人
  • 質問です。自分の顔に満足していますか?自分以外の誰かの顔が欲しいと思ったことはありませんか?芸能人やインフルエンサーには美男美女がたくさんいますよね。あなたの友人にも憧れるほど容姿端麗な人はいるかもしれません。あの人のような顔があれば、もっと人生が豊かだったかもしれない――。こんなことを考えたことがある人は少なくないと思います。顔だけじゃないですよね。才能があれば、住んでいる場所が違っていれば…人それぞれですが、言い出したらキリがありません。好きな人の好きな人はどうしてわたしじゃなくてあの子なの?恋愛でいえば、このような嫉妬をしたことがある人もきっといると思います。
    今回紹介する小説は、劣等感を抱いたり、嫉妬しやすい人にこそ読んでほしい小説です。閉鎖的な田舎の村を舞台に、とある三人の中学生を中心に進みます。天とミナが女の子で、藤生が男の子。天にとって、東京から来たミナは憧れの存在。ミナは、藤生のことを一途に想う。そして、藤生は天のことが好き。天は、藤生がミナのことを好きだと思い込んでいる。仲が良さそうなのですが、ある事件をきっかけに疎遠になってしまうんです。時は流れ、三人が大人になって――。

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  • 養父が毎晩
    少女のベッド
    に入ってくる

    けんご

    心苦しい……。胸が締め付けられる読後感でした。最初に発表されたのがかなり昔の作品なため、時代背景の違いから生まれる強引さはありますが、それを含めて面白い物語です!
    読みやすさ
    ★★★★★
    どんな人に
    読んでほしい?
    ▷ サクサク読める長編を探している人
    ▷ 入り込みやすいミステリを読みたい人
    ▷ 謎解きが好きな人
  • 養父が毎晩のように私のベッドに入ってくるんです。これは、とあるラジオ番組に送られてきた「少女A」からの残酷な悩み相談です。手紙は匿名でした。少女Aは「F女学院」に通っているそうです。おそらく「芙蓉女学院」だろうと推測できます。「少女A」の悩みは、次のようなものでした。父のことで悩んでいます。実の父ではありません。養父なんです。養母が亡くなって、私は今養父と二人暮らしです。二人きりで暮らすようになってから、養父の様子がおかしくなりました。なんとなくわたしを見る目が変なんです。それだけじゃありません。夜になると、わたしの部屋にやってきます。寝たふりをしていると勝手に中へ入ってきます。「可愛い。愛してる」などと口走りながら、抱き締めたり、身体中を触ったりします。わたしにも限界があります。もし、養父が暴力でわたしを征服するようなことがあれば、わたしは自殺をするか、養父を殺してしまうかもしれません。
    少女Aが在学していると思われる芙蓉女学院には、なんと三人も養父と二人暮らしの生徒がいたんです。そして、事件が起こりました。誰かの養父が殺害されてしまったんです。「少女A」とは、一体誰なのか。他にもっと良い手段はなかったのか……と頭を抱えてしまう結末が待っています。

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  • 妊娠のために
    女は男を喰う必要がある
    異常な世界

    けんご

    表題作「ピュア」の他、2編目の「バースデー」も素晴らしかったです。「バースデー」は染色体を書き換え、完全に性別を変えられる世界を描いた話になります。
    読みやすさ
    ★★★★
    どんな人に
    読んでほしい?
    ▷ 異常な世界観の小説を読みたい人
    ▷ 短編集が好きな人
    ▷ (個人的には)入りやすいSFを読みたい人
  • 養女は子供を産んで戦争に行け、そして、妊娠するために男を喰え。これは、女性が出産するために、男性を食べる必要がある世界の話です。この世界では、出産することと戦争に行くことが女性に課せられた使命です。そうしないと、国は滅びてしまいます。なにせ様々なことが原因となり、出生率が極端に減少してしまったからです。人口の比率は男子9割女性1割となりました。
    そして、女性だけが身体的にも進化を遂げているのです。女性の体はウロコに覆われています。岩をも嚙み砕く強い牙があります。殺傷力のある長い爪が生えています。平均身長は2メートルです。女性は「ティラノサウルス」みたいな姿になってしまったんです。対して男は昔と同じひ弱なフォルムのまま。結果的に子供を産んで、戦争に行くことが、女性の使命となりました。
    加えて、受精するだけでは妊娠ができなくなったんです。女性は行為のあとに、男性を捕食する必要があるんです。死んだ男の肉では意味がありません。生きたままの男を狩らないといけないんです。そんな異常ともいえる世界を描いた短編小説が……

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  • 15年前に殺害された
    女子小学生
    連鎖する悲劇

    けんご

    ずいぶん前に読んでいて、最近オーディブルで改めて聴きました。湊かなえ(敬称略)、たまらんよ……。どうしてこんなにも毒々しい人間を描くことができるのでしょうか。素晴らしい。
    読みやすさ
    ★★★★
    どんな人に
    読んでほしい?
    ▷ イヤミスが好きな人
    ▷ ゾッとするような読書体験をしたい人
    ▷ 物語が繋がる感覚を楽しみたい人
  • 15年前、小学生の女の子が不気味な男に殺害されたときの話です。悲劇の連鎖の始まりです。田舎の小学校で起きた事件でした。被害者の女の子はエミリちゃんといいます。現場には、エミリちゃんを含む、五人の女子小学生がいました。五人は、お盆休み中の小学校のグラウンドの片隅でバレーボールをして遊んでいました。すると、そこに作業着を着た男がやってきたのです。男は頭に白いタオルを巻いていました。プールの更衣室の点検に来たといいます。ただ、脚立を忘れてしまい、肩車をするからネジを回すのを手伝ってほしい――女の子たちに対して、男はお願いをしたのです。女の子たちは、何の疑いも持ちませんでした。むしろ、「手伝い」を立候補するほどです。
    男は品定めをするように、五人の子どもたちを順番に見ていきました。「きみが一番ちょうどいい」選ばれたのは、エミリちゃんでした。男はエミリちゃんの手を引き、更衣室の方へと向かいます。残された四人は、その後もバレーボールを続けていました。ずいぶんと時間がたってもエミリちゃんは帰ってきません。不審に思った四人は、更衣室の様子を見にいきます。女子更衣室には誰もいません。そして、男子更衣室のドアを開けてみると……
    事件は迷宮入りとなりました。他の四人の女の子たちが、誰一人として犯人の顔を思い出せないからです。成長し、大人になった四人に悲劇が降りかかります。だって償いをしないから。 あなたたちにも、贖罪が必要でしょ?

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  • エレベーターの中で
    生まれエレベーター
    から出ない男

    けんご

    続きは、『夜明けの縁をさ迷う人々』に収録された「イービーのかなわぬ望み」を読んでください。他の短編小説もどこか不思議な物語で作品の世界にどっぷり入り込みました。
    読みやすさ
    ★★★★
    どんな人に
    読んでほしい?
    ▷ 美しい文章を楽しみたい人
    ▷ 短編集が好きな人
    ▷ 不思議な物語を読みたい人
  • エレベーターの中で生まれ育ち、エレベーターから一切出ない男の話です。彼は四階建ての中華料理店にあるエレベーターの中で生まれました。みんな彼のことを「イービー」と呼びます。アルファベットが二つで「E.B.」です。けれど、誰も彼の本当の名前を知りません。とある日、店に訪れた妊婦がエレベーターの中で産気づいて動けなくなりました。そして、そのまま子供を産んだのです。彼の産声は、店中をこだまします。店にいるたくさんの人が拍手をします。イービーは、お産を処置した店の婆さんに抱き抱えられていました。気づいたときには、彼を生んだ女がその場からいなくなっていたのです。逃げてしまったのです。それからイービーは婆さんに育てられました。
    イービーは幼いころからエレベーターの中が好きでした。いつしか、彼を目当てにして訪れる客も増え、立派な店のマスコットとなりました。しかし、イービーが九つになったときのことです。婆さんが肺炎をこじらせ、死にました。イービーはエレベーターに駆け込み、泣き続けました。そして、二度とそこから出ようとしませんでした。それから年月が経ち、イービーは……
    不思議で不気味で奇妙な物語です。だけど、なぜか込み上げるものがある短編小説でした。

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  • 実の母親から監禁
    されていた一歳の女の子と
    三歳の男の子

    けんご

    辻堂ミステリの中でも最高傑作と名高い本作。社会問題を織り交ぜながら、読む手を止めさせない構成と圧倒的なリーダビリティで、一気に読了しました。ミステリ好きはぜひご一読を。
    読みやすさ
    ★★★★
    どんな人に
    読んでほしい?
    ▷ 社会派ミステリを読みたい人
    ▷ 長編でどっぷりと物語に浸かりたい人
    ▷ 社会問題についても考えてみたい人
  • 実の母親によってアパートの一室に監禁されていた二人の子供がいました。三歳の男の子と一歳の女の子です。二人はペットの鳥とともに、部屋に閉じ込められていました。部屋の内側のドアノブは外されていました。身体の発育も同年代の子どもに比べてひどく遅れていました。現場の部屋には、子どもたちがペット用の餌や水に口をつけていた形跡が残されていたそうです。二人の子どもは、鳥の鳴きまねや両腕を羽ばたかせる仕草しかできなかったそうです。歩き方も変だといいます。母親は養育を放棄したとして逮捕されました。1996年に起こった、世間を震撼させた事件。この事件は『鳥籠事件』と呼ばれます。二人の子供は養護施設に引き取られました。その一年後、追い打ちをかけるようにして、さらなる事件が起こります。『鳥籠事件』の被害児童二人が、何者かに誘拐されたのです――。それから時は経ち、2021年。バラバラになったピースが合わさるようにして、迷宮入りしたはずの誘拐事件が動き出すのです。とある傷害事件がきっかけでした。『鳥籠事件』の被害児童二人らしき人物が、成長し、大人になった姿で見つかったのです。ただ、さらなる問題が起こります。二人は”無戸籍”だったのです。言い換えれば、法律上、”存在しない人間”ということ。それだけではありません。二人は年齢も性別も多種多様な人々と工場の中にある古い倉庫で共同生活を送っていました。そこにいる全員が”無戸籍”だったのです。
    二人は本当にあの『鳥籠事件』の被害者なのか。無戸籍で居場所のない人々がなぜ集まっているのか――。大きな社会問題に真っ向から切り込んだ本格ミステリです。すべての謎は、あなたが読むことで解き明かされます。

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  • 実の子を含む
    女児二人を殺めた
    死刑囚の最期の言葉

    けんご

    ここでは深くは言及しませんが、実際に起こったとある事件を思い浮かべた人も少なくないはずです。読み終えたその日、眠れなくなるほどに強烈な余韻と重みを感じた小説でした。
    読みやすさ
    ★★★★
    どんな人に
    読んでほしい?
    ▷ 考えさせられる読後感が好きな人
    ▷ 心が元気な人
    ▷ 感情移入しやすい人
  • これは女児二人を殺めた、女性死刑囚が最期に残した言葉です。女児二人のうち、一人は彼女の実の子でした。「約束は守ったよ、褒めて」事件が起こったのは、青森県のとある町。死刑囚の名は、三原響子。事件当時、響子は「毒親」だと報じられました。昨今では、SNSでもよく耳にする言葉だと思います。実の子を、そして近所の子供の命まで奪った響子。いかなる事情があっても、殺人は肯定されるべきことではありません。断片的に見れば、「毒親」という言葉は、響子にぴったりなのかもしれません。彼女の何が凶行を生んだのか。最期に残した言葉「約束は守ったよ、褒めて」この言葉の真意は、どこに隠されているのか――。これは、女性死刑囚・三原響子の人生に迫る物語。最期の言葉の真相を紐解く物語――。子供は親を選べません。環境を選べません。親も環境もダメなら、自分で努力すればいい、その道を切り開いてしまえばいい。そう思う人もいるでしょう。でもそれは、”逃げる選択肢”がある人だから言えるのではないでしょうか。僕自身も、”逃げる選択肢”が与えられた人間だと思います。大人になるまで、特に不自由もなく生きてこられました。それは、両親のおかげです。親が子に与える影響というのは、計り知れないものだと思います。困難な状況で育ってきた人が、その状況を打破するほどに努力するのが、どれほど辛いかは想像に難くないでしょう。響子は、本当に毒親だったのでしょうか?亡くなった女児は、毒親を持ってしまったのでしょうか?三原響子は、一体誰と約束していて、誰に褒めて欲しかったのでしょうか。この作品は、安易に”面白い”とはいえない。それでも僕はこの物語に出会えたことに心から感謝しています。

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  • これを読むと
    呪われて
    読者は死ぬ

    けんご

    こ、怖かったぁ……。真っ向からのホラーとは久しぶりに出会った気がします。夜には読みたくないですね。今のところ、黒い栞は見えていません。見えたら、受け入れようと思います。
    読みやすさ
    ★★★★★
    どんな人に
    読んでほしい?
    ▷ 真っ向からのホラーを読みたい人
    ▷ 『リング』系のホラーが好きな人
    ▷ 「呪い」を信じていない人
  • 読むと呪われて死ぬ本を紹介します。『ゆうずど』という作品です。著者である鬼多河りさは、『ゆうずど』を上梓して、すぐに死んだとされています。鬼多河りさは、自殺したのです。『ゆうずど』を少しでも読むと、〈紙の化け物〉が見えるようになります。白い紙を全身に貼った女です。御札ほどの大きさの紙を何重にも貼っているのです。腰に届くほど長い髪で顔は見えません。『ゆうずど』を手放そうとしても、必ず読んだ者の元へ戻ってきます。捨てようが何をしようが、必ず戻ってくるのです。そして、いつしか本に挟まれた黒い栞が見えるようになります。その栞は、ゆっくりと時間をかけて勝手にページを進んでいきます。結末に向かって、勝手に進んでいくのです。『ゆうずど』は読む人によって結末が変わります。その結末に何が書いてあると思いますか?ぜひ想像してください。「死にたくない」「怖い」「落ちたくない」これは『ゆうずど』を読んだとある大学生が繰り返していた言葉です。ぜひ彼の末路も想像してください。
    というフィクションのホラーを描いた作品、かと思っていたんですけど…ちょっと言葉を失ってしまいました。ここ最近読んだ小説の中では、一番怖かったです。嘘だと思いたいです。僕が何を言いたいかは、読めばきっとわかります。ただ一点だけ。僕のSNSの更新が止まったら、そういうことだと思ってください。今のところ、黒い栞は見えていません。

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  • 母親を殺害した
    女児が描いた絵が
    おかしい

    けんご

    メガヒット小説『変な絵』の文庫版がついに!すでに単行本で読んだ方も、そのときには収録されていなかった物語などもあるので、文庫版でも必読です。雨穴さんの動画も必聴です!!
    読みやすさ
    ★★★★★
    どんな人に
    読んでほしい?
    ▷ 小説を気軽な気持ちで読みたい人
    ▷ 一風変わったホラーを楽しみたい人
    ▷ 新感覚の読書体験を求めている人
  • 皆さんが今見ているこの絵は、母親を殺害して警察に補導された女の子が描いたものです。この絵……なにかおかしいと思いませんか?これからこの作品を簡単に説明するので、女の子が描いた絵のどこがおかしいのかを探しながら聞いてください。見つけた”異変”については、コメントで教えてもらえると嬉しいです。人の心理状態を分析するために「描画テスト」はよく使われます。この絵は、母親を殺害した十一歳の女の子が「描画テスト」で描いたものです。物語はこの絵の”異変”を紐解くところから始まります。それから、物語は四章にわたって進行し、なにかがおかしい九枚の絵を手がかりに、次々と不可解な出来事が明らかになり、”恐ろしい謎”が解き明かされていきます。本作は、覆面ホラー作家雨穴さんの大人気作、『変な絵』の文庫版です。文庫版では、単行本にはなかった「雨穴からの挑戦状!『変な絵』ナゾ解きゲーム」……という特典に加え、登場人物の七年後を描いた四十九ページの書き下ろし小説「続・変な絵」が収録されています。すでに単行本を読んだ方も、これは必読です。文庫版でも物語を読み終えた後に、もう一度、絵を見返してください。きっと、まったく違う印象を受けるはずです。

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  • ここ数年で
    最もグロテスク
    な読書体験

    けんご

    実はこの小説、3年前ほどに読んだときは、さほど刺さらずに途中で読むのをやめたんです。再読したところ、忘れられない読書体験になりました。読むタイミングって、ありますよね。
    読みやすさ
    ★★★★
    どんな人に
    読んでほしい?
    ▷ 大長編を読みたい人
    ▷ 壮大で壮絶な物語が読みたい人
    ▷ 社会問題も関わる小説を読みたい人
  • ここ数年で読んだ小説の中で一番グロテスクでした。首がぶっ飛ぶとか、身体がもげるとか、そういった類のグロは全く大丈夫なんです。この前、”全米が吐いた”でお馴染みの『テリファー』を観ても割と平気だったので。僕の心にくるのは、精神的な苦痛と、人間の裏切りと、倫理の過度な欠如だと実感しました。でも勘違いしてほしくないです。この物語は、とある社会問題に直球で立ち向かう素晴らしいものだということを。
    十歳の章子は、大好きなお父さんをなくしたばかりでした。お母さんはいるけれど、ものすごく調子がいい時と、ものすごく調子が悪い時の二種類で、心身ともに不安定な状態です。そんな章子のもとに、一通の手紙が届きます。それは、二十年後の未来の自分から届いた手紙だったんです。信じられないけれど、信じずにはいられない内容が綴られていました。なくなったお父さんが残した手紙でもなさそうです。そして、手紙には次のようなことが記されていました。二十年後のあなたは、むねをはって幸せだと言える人生を歩んでいます。今は大変な状況だけど、きっと自分は幸せになる。だって、未来から届いた手紙にそう書いてあったから。だけど、現実は――。読み終えた後、この手紙に隠された秘密に感情をぐちゃぐちゃにされました。この物語を通して、”とある問題”を多くの人に改めて考えてもらいたい。そして誰かが救われるきっかけになってほしい。そう願わずにはいられない読書体験でした。

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  • 十人産んだら
    ひとり殺せる

    けんご

    前に紹介した「トリプル」も収録されている短編小説集です。村田さんの小説はどれも素晴らしいのですが、強いてひとつだけ選ぶとするならば、この作品を推します。
    読みやすさ
    ★★★★★
    どんな人に
    読んでほしい?
    ▷ 独特な世界観の物語を楽しみたい人
    ▷ 濃密な短編小説を読みたい人
    ▷ 価値観をアップデートしたい人
  • 十人産んだら一人殺せる世界の話です。今の時代、子供を産む手段は複数ありますが、恋をして、結婚をして、行為をして、妊娠して、出産する………この流れが最も多いかと思われます。でも、この世界では避妊技術が発達しており、行為と妊娠の因果関係が大きく乖離しました。偶発的な出産がなくなったことで人口は極端に減少。そこで命を生み出すために作られたのが、「殺人出産システム」です。十人産めば一人殺めることが許される制度です。「殺意」という大きな感情が次の命を生み出すためのきっかけとなるのです。男性の皆さん、安心してください。人工子宮がつけられるので、男性でも出産できます。それを行う人は「産み人」と呼ばれ、崇められるようになりました。当然です。命懸けで、命を生み出しているのだから――。この制度により、「死刑」すらもなくなりました。「産み人」として正しい手続きをとらずに過ちを犯した人は、逮捕された後に、「産刑」という厳しい罰が与えられます。一生牢獄で子供を産み続けるという重たい罰です。死をもって死を成敗するなんて、非合理的なんです。命を奪ったものは、命を生み続けるべきなんです。物語の主人公は自身の姉が「産み人」となったOLの女性。彼女は姉が「産み人」であることを隠しながら生きています。姉はなぜ「産み人」となったのか、そして、十人産んだ末に誰を殺めるのか--。というのが物語の簡単なあらすじです。あなたには、命懸けで十人を産んででも、自らの手で奪ってやりたい命はありますか?異常な世界観なのに、なぜか神秘を感じることができる……いや、この物語を「異常」だと思っている時点で、常識や価値観が凝り固まっているのかもしれません。

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  • ミノムシのような状態
    でぶら下げられた
    女性の死体

    けんご

    僕が小説を読み始めた頃に読んだミステリーです。驚きに加え、胸が締め付けられる展開でした。「完結編」が刊行されたので、まずは第一弾である本作の紹介です!シリーズで、ぜひ。
    読みやすさ
    ★★★★
    どんな人に
    読んでほしい?
    ▷怒涛の展開が好きな人
    ▷ ミステリが好きな人
    ▷ 驚きだけで終わらない小説を読みたい人
  • 口にフックをかけられ、マンションの十三階からぶら下げられた女性の死体が発見されました。体はブルーシートに覆われており、まるで巨大な蓑虫のようになっています。その現場には、次のような犯行声明文が残されていたんです。きょう、かえるをつかまえたよ。みのむしのかっこうにしてみよう。くちからはりをつけてたかいたかいところにつるしてみよう。子供が書いたかのような、稚拙な犯行声明でした。事件はこれだけでは終わりません。第二、第三とさらに凶悪性を増しながら、殺人事件が繰り返されていくのです。きょうもかえるをつかまえたよ。きょうはいたにはさんでぺちゃんこにしてみよう。犯行から推測できることは、犯人が異常者であること、そして、抜けきらない幼児性があることです。正体の掴めぬ犯人は「カエル男」と呼ばれます。警察の捜査は難航するのですが、連続した殺人からわずかな法則性が見えてきます。カエル男の正体は?こいつの目的は?最後に待ち受ける結末には、少しばかり心が痛くなりました。強い驚きが連続する秀逸なミステリー小説です。ただ、この小説はそれだけじゃないんですよ。僕はエンターテイメントとして優れているだけでなく、社会的意義のある作品だと思いました。カエル男の正体が誰なのかを推測しながら、この小説を最後までお楽しみください。カエル男が次に狙う人間の特徴は、もしかするとあなたにも該当するかもしれません。

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  • この女、
    危険で臭い

    けんご

    「リカシリーズ」が完結したということで、第一作目の『リカ』を紹介しました。僕はまだ全作を読めていません。死ぬまでに必ず読破したいと思っているシリーズ作品です。
    読みやすさ
    ★★★★
    どんな人に
    読んでほしい?
    ▷ バイオレンスな物語が好きな人
    ▷ 狂人が登場する物語を読みたい人
    ▷ 完結したシリーズ作を一気読みしたい人
  • 「ストーカー」と聞いて、皆さんは男性を思い浮かべますか?それとも、女性を思い浮かべますか?正直なところ、僕は男性を思い浮かべます。実際に調べてみたのですが、ストーカー被害者のおおよそ8~9割が女性のようです。でも、今回はほとんど化け物みたいなストーカー女の話をしましょう。
    被害者は本間という男。妻子持ちの42歳会社員です。妻子持ちなんですけど、ちょっとした出来心から出会い系サイトを始めたのです。そのサイトで悪魔と出会うことになります。最初は可愛いメールのやり取りだけでした。これだけで終わればよかったのですが、徐々にエスカレートしていきます。悪魔の容姿はどう説明すればいいのかわからないほど狂人じみているんです。しかも、臭い。それだけでなく、この悪魔は過去に……
    悪魔は自分のことを『リカ』と名乗ります。物語の終盤、リカの行動が面白いんですよ。滅茶苦茶に過激なシーンが続くのですが、人間味がなさすぎて、僕は笑ってしまいました。

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