あの日、陽の昇らぬ<未明の地>で人知れず運命の扉が開いた。
月のように黄金に輝く瞳。孤独な番人・ウィステリアがロイドと出会い、止まっていた時の針が動き出した。何気ない日常に心揺らされ、強い想いが溢れても……そこには師弟二人だけ。 一方、元の世界【マーシアル】には二人を想う人々がいた。恋知らぬロザリー、かつての令嬢を待ち続けるベンジャミン、兄を慕うパトリシアとルイス、ルイニング家と親交を持つデイヴィッド、ウィステリアに出会う前のロイドの姿も。
WEB掲載のSSや、第一巻から第五巻までの特典SS、さらにドラマCD脚本の書き下ろし中編小説など、短編と中編計16本を一冊に。

夜会に出席したソフィアは、主催者のディンズケール公爵から茶会に招かれた。自立していつかヴァイオレットの力になるべく一人で出席したが、公爵に後継者を産めと命令された挙句、婚約者候補をあてがわれた！？　そこへ颯爽と現れたのは稀代の悪女。またも体が入れ替わって狼狽えるソフィアは、とある事情からいつも以上に苛立ちを隠さないヴァイオレットに激しく罵倒され――「お前はただの駒」「それでも、力になりたいのです！　馬鹿！」と初めての衝突！？ すれ違う二人は、共闘できるのか？

「師匠！　靴下片っぽどこに脱いだんですか！」
呪われて天涯孤独になったあの日、汚城での奇妙な同居生活が始まった。 拾われ弟子アリアが言えない恋心を抱える相手は、物を元の場所に戻せない大魔術師ルーカス・ベイリー。 古城の魔法使いとして恐れられ、女性言葉を操る人間嫌いの偏屈家。しかも美貌につられて恋愛感情を向けてくる人間は大嫌い。 募る想いを隠して喧嘩する日々を送っていたある日、嫉妬した女性が自分を攻撃してきて？　この生活がずっと続くと思ってた――。

紅色の髪を持つことで魔女と蔑まれていた皇女・アリスは殺され、次に目覚めると10歳の頃に時が戻っていた。 もう一度の人生、自分の大切な人たちを二度と失わないと誓ったアリス。 そんな矢先“魔女の能力”に目覚めたことがわかり……？ アリスは能力の発現をきっかけに、騎士団一の嫌われ者で忌避される紅色の目を持つ異端の民（ノクス）・セオドアと運命の出会いを果たす――。
「打算で私の騎士になりませんか？」

『日々怪しげな毒薬を作る』と噂される薬師ソフィアは、魔術で体が入れ替わったまま舞踏会へ。 王太子への毒盛り疑いがある人物と接触するなか、遂に『稀代の悪女』と名高いヴァイオレットと対面！？ 王宮に蠢く陰謀と悪女の目的が少しずつ明らかになっていき――
「お前、思ったよりも有能な変態なのね」
「変態…ですか！？ どのあたりが…っ！？」
「褒めているのよ」